WEDDING PRODUCER

心を動かされるのは、 いつも和の結婚式でした。

橋口 未佳

和婚スタイル 事業部長ウェディングプロデューサー

橋口 未佳
神社の鳥居の前で手を取り合う白無垢と紋付袴のおふたり

INTRODUCTION

神社で、和装を着て、結婚式を挙げる。

その一日の裏側には、おふたりとご家族を想う、たくさんの人の思いがあります。

和婚スタイル事業部長の橋口 未佳は、ウェディングの仕事に携わって20年。海外の教会、国内のレストランやホテル、専門式場、牧場や美術館まで、これまで1,500組以上のおふたりの結婚式をつくってきました。

あらゆる結婚式を見てきた橋口が、今も変わらず心を動かされているのが、神社の結婚式です。事業部長となった今も、ウェディングプロデューサーとして現場に立ち、おふたりの晴れの日に寄り添っています。

20年の経験から語られる、神社の結婚式に込められた意味と、その裏側にある思いをお届けします。

あらゆる結婚式を手がけて、心を動かされたのは神社だった

桜の咲く神社の参道と連なる鳥居

ウェディングプランナーを志したのは、いつ頃ですか?

19歳のときです。姉の結婚式に参列をして、「私、ウェディングプランナーになりたい」と思ったんです。

ところが当時の中途採用は、どこも「25歳以上」が条件で。それなら海外で挑戦しようと、アイルランドで英語を学んだあと、オーストラリアで就職して教会での結婚式に携わりました。牧師の資格も取ったんですよ。

でも向こうでは、教会もレストランも、おふたりが自分たちで決めて手配してたんです。プランナーにできることは本当に少なくて、「私がやりたかったことかな」「自分の人生、これでいいのかな」とずいぶん悩みました。

そんなときに見つけたのが、最初のご相談から当日まで、ひとりのプランナーが全部を担当する日本のウェディング会社です。まさに私がやりたかったことでした。合格の連絡をオーストラリアで受け取って、帰国した次の日には、もう働いていましたね。

日本に戻ってからは、どんな毎日でしたか?

がむしゃらでした。多いときは3連休だけで6組の結婚式を受け持つ週が続いて。このころ必死に向き合った経験があるから、今はどんな現場でも落ち着いておふたりに向き合えるんだと思います。

20代半ばで独立してからは、牧場や廃校、テーマパークや美術館、公園や病院、ご自宅と、場所を選ばずにゼロから結婚式をつくってきました。

和婚スタイルとは、どう出会ったんですか?

2014年ごろ、外部のプランナーとして関わり始めたのが最初です。神社での結婚式を担当しながら、新卒スタッフの育成を手伝っていました。

驚いたのは、10年以上ブライダルの仕事をしてきたのに、神社のことを何も知らなかったことです。それまで身につけてきたことが、ほとんど通用しない。でも、難しかったからこそ面白かったんですよね。

そのとき育てたスタッフたちは、10年以上たった今も和婚スタイルで活躍してくれています。「一緒にやりたいです」と言ってくれたその子たちと歩むために、私も和婚スタイルの一員になりました。神社の結婚式を一から一緒に学んできた仲間だから、自信を持っておふたりをお任せできるんです。

人前式やキリスト教式を長く手がけてきましたが、どうして神社だったんですか?

日本人だからかもしれません。人前式やキリスト教式も、数えきれないほどお手伝いしてきたうえで、今も変わらず心を動かされるのが神社や仏閣、祝言などの和の挙式スタイルなんです。

旅先で神社を見つけると、「ここ、結婚式できるのかな」って、休みの日でもパンフレットをもらいに行っちゃうくらいで。小さい頃から初詣に行って、厄年にはお寺にお参りして。そういう文化が、ずっとそばにあったからだと思います。

知るほどに深くなる、神社の結婚式

神社の結婚式に携わって、初めて知ったことはありますか?

たくさんあります。たとえば三三九度。三つの盃には、過去・現在・未来という意味が込められていると言われているんですけど、私は和婚スタイルに来るまで知りませんでした。神社によって挙式の内容が違うことも。長くブライダルの仕事をしてきたのに、ですよ。

知ってからは、挙式の見え方が変わりました。所作の一つひとつに意味があって、それが重なって一つのセレモニーになっている。神社の結婚式だけではなく、もちろんお寺の結婚式も意味が異なり、おふたりにも、その意味を感じながら当日を迎えてほしい、自分たちだったらと一生に一度の大切な日を選択出来るように、そのために私達プロがいる意味があるのではと思ったんです。

三三九度の盃を手にする花嫁

神前式ならではの良さは、どこにありますか?

神職の方が罪・穢れ・災い・邪気を祓い清めて、神様に向けて儀式を執り行ってくださる。その前で、おふたりが誓いを立てる。ふたつの家族がひとつになるという意味合いも、とても深いものです。

神社には決まりごとも多くて、「それはできません」と言われることもあります。何でもお二人に寄り添うことが出来る結婚式に慣れていた私には、それが初めての経験でした。でも、そこには深い歴史や意味があっての「決まり事」。そのなかでも、神社の方々はできる限り力を貸してくださるんです。人と人とのご縁を強く感じるのは、そういうときですね。

それから、歴史。私、歴史には全然興味がなかったんですけど、伺った神社で「この木は織田信長が植えたものなんですよ」と聞いたときは、さすがに驚きました。織田信長って、本当にいたんだ、って。

式を挙げた神社には、毎年の初詣でまた行けるんですよね。そのたびに、あの日のことを思い出せる。地震や災害で失われることがあっても、神社は復興されていく、日本の宝のような場所です。お子さまが結婚式を挙げるときにも、きっとそこにある。式を挙げた場所がずっとなくならないって、すごく心強いことだと思うんです。

この仕事をしていると、結婚式をする意味をすごく考えるようになるんです。お金をかけるなら、大切な人たちを招き、時間を掛けてやるなら、と考えたときに、本物の場所にかける価値はすごくあると思っています。

神社の拝殿で挙式に臨むおふたりとご家族

実は私自身は、和装で結婚式を挙げていないんです。今なら「和でやりたかった」と、心から思います。ふたりにとって、両親にとって何がいちばんいいかを考えると、やっぱり神社だったんだろうなって。ご両親はきっと、おふたりの和装姿を見たかったんだろうな、と思うことがよくあります。

和装については、どう感じていますか?

和装の良さは、着付けをしてくださる美容の方に教わりました。最初に言われたのが、「着物って、生きてるんだよ」という言葉なんです。繭から生まれた糸でできていて、人が触れると柔らかくなって、着心地が変わる。だから美容の方は、袖を通していただく前に、着物に手で触れてくださるんですね。数メートルの布が、人の手で糸から仕立てられている。改めて考えると、すごいことですよね。

帯を手に説明する橋口

和装って、肩にずっしりと重みがくるんです。ご新郎も、タキシードに比べたらずっと大変です。でも私は、この重みにも意味があると感じています。夫婦になったら、いろんなことを一緒に乗り越えていくじゃないですか。その最初の一歩が、重みのある和装をまとうことなんじゃないかなって、勝手に思っているんです。柄のひとつひとつにも、ちゃんと意味があります。

神社で出会った、忘れられない瞬間

印象に残っているおふたりはいますか?

挙式の1週間前に、お父様を亡くされたおふたりがいました。体調のすぐれなかったお父様のために、早めに準備を進めていた結婚式だったんです。でも、間に合わなかった。それでも、もう1週間前で、皆さんもその日のために予定を合わせてくださっている。おふたりは、式を挙げることを決められました。

そのことを神社にお伝えしたら、式が始まる前に、お父様を想う時間を設けてくださったんです。神社で結婚式を挙げる意味って、こういうところにあるんだなと感じました。

神社では、不思議なことも起きるそうですね。

起きるんです。雨の日の挙式で、式のあいだだけ雨が止んだこともありました。おふたりがタクシーに乗って帰られた瞬間に、また降り始めて。神様って本当にいるんだろうな、と思わされる場面に、何度も立ち会ってきました。

式を挙げたおふたりのご家族が、また来られることもあるそうですね。

そうなんです。妹さまや、いとこの方、お兄さまが、「神社での結婚式が良かったから」って来てくださる。結婚式は一生に一度のはずなのに、ご家族で続けて和婚スタイルを選んでくださることがあるんです。私たちは場所選びからお手伝いするので、ごきょうだいでも、それぞれ違う神社で式を挙げていただけるんです。

お母様が式を挙げたのと同じ神社で、同じ場所に立って写真を撮られたおふたりもいました。二枚の写真を並べたときは、胸が熱くなりましたね。

参列してくださったご家族やご友人が、いつかご自身の結婚式で、また和装の結婚式を選んでくださるかもしれない。だから、ご予算の大小に関わらず、どの結婚式にも120%で向き合う。スタッフにも、いつもそう伝えています。

庭園で談笑する和装のおふたりとご家族

神社と積み重ねてきた信頼、そしてこれから

この10年で、和婚スタイルはどう変わりましたか?

神社さまとの信頼関係は、大きく変わりました。今では神社の方から「和婚スタイルさんの話は聞いています」と声をかけていただいたり、サイトへの掲載についてご相談をいただいたりすることもあります。

神社の結婚式は、神社ごとに決まりが違います。長い時間をかけて信頼を積み重ねてきたからこそ、準備や神社さまとの調整を、安心してお任せいただけるんだと思っています。

スタッフが長く変わらないことも、神社の方から信頼の理由として挙げていただくことがあります。和婚スタイルには、10年以上この仕事を続けているスタッフが12人いるんです。

ほかの会社と比べて、和婚スタイルの強みはどこにありますか?

和の結婚式と向き合ってきた時間が違う。それだけは、どこにも負けないと思っています。

実は洋の結婚式を手がけていたころも、神社で挙式されるおふたりはいらっしゃいました。でも当時の私は、神社のことをほとんど知らないままで、神社へのお申し込みも、おふたりにお任せしていたくらいなんです。それが当たり前でした。

和婚スタイルでは、神社選びから神社さまとのやり取り、当日の流れや作法、意味まで、私たちが一緒にお手伝いします。それができるのは、和の結婚式だけに向き合ってきたからだと思っています。

※神社さまの考えで、私たちが介入できないところもございます。

和婚スタイルのスタッフには、どんな特徴がありますか?

新卒で入って、神社や和の結婚式だけに向き合ってきた人たちです。三三九度の所作の意味から、神社ごとのしきたりまで、和の結婚式のことを身をもって知っている。私は、和の専門家の集まりだと思っています。

だからこそ、お食事会場の方から「挙式は和婚スタイルさんにお任せしたい」とご相談をいただくこともあるんです。神社さまとのやり取りまで含めて、任せていただけている証ですね。

これから、どんなことに挑戦したいですか?

着物をつくる技術も、日本の美しい結婚式の文化も、伝える場がなければ、いつかなくなってしまうのではと感じています。和装の良さを広げて、次の世代に残していく。それも私の使命だと思っています。和婚スタイルが掲げる「日本の美しい結婚式を紡ぐ」という言葉にも、その思いが込められています。

大切なものは大切にしながら、変わることを恐れずに挑戦を続けたい。挑戦しなければ、残っていかないので。神社での結婚式のパイオニアであり続けたいと、ずっと思ってやってきました。

それと、私はおばあちゃんになってもこの仕事を続けたいんです。80歳でプロデューサーとして立っていられる仕事は、そう多くないと思います。でも神社の結婚式なら、おばあちゃんのプロデューサーが出てきても、かえって安心していただけるんじゃないかな、なんて。世代が替わりながら、この仕事がずっと続いていったら、うれしいですね。

帯の工房で話を聞く橋口
神社の社殿の前に立つ橋口

これから結婚式を挙げるおふたりへ

最後に、結婚式を考えているおふたりへひと言お願いします。

和装って、堅苦しいものだと思われがちなんです。でも、そんなことはありません。実は、とても臨機応変にいろんなことができるんですよ。神社でできることには決まりがありますけど、祝言など、思っている以上に自由に考えられます。

まずは、おふたりがどんな未来をつくっていきたいのかを教えてください。神様の前で誓いを立てたい。これからの決意を形にしたい。ゲストの皆さまに感謝を伝えたい。おばあさまに着物姿を見せたい。理由は、おふたりの数だけあります。それさえ聞かせていただければ、おふたりにとってベストな形は何か、提案させていただきます。

和装で結婚式を挙げるなら、ぜひ和婚スタイルにご相談ください。まだ迷っている段階でも大丈夫ですよ。

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PROFILE

橋口 未佳(はしぐち みか)

和婚スタイル 事業部長

19歳でウェディングプランナーを志し、アイルランドで語学を学んだのち、オーストラリアで教会での結婚式に携わる。

帰国後は、レストランウェディング、ハウスウェディング、ホテルウェディング、オートクチュールウェディングのプランナーを経験し、社内表彰で顧客満足度No.1、年間MVPを3年連続で受賞。

フリーランスのウェディングプランナーとして、種子島での2泊3日のウェディングや、牧場・廃校・美術館・公園・病院・自宅など、場所にとらわれない結婚式を手がける。

テーマパークのウェディングにも携わったほか、立ち上げ支援やブライダルのコンサルティング、専門学校の講師も務めた。

2014年ごろ和婚スタイルと出会い、神社検定を取得。ウェディングの仕事に携わって20年、担当した結婚式は1,500組以上。事業部長を務めながら、ウェディングプロデューサーとして今も現場でおふたりを担当している。

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